更年期障害と聞くと、中高年女性が発症する症状と思われがちですが、男性にも更年期障害はあります。
しかし、男性の更年期障害は個人差が大きく生涯全く更年期障害と無関係な男性もいることから、本人が気づかずに苦しんでいることが少なくありません。
このページの目次
男性更年期障害とは?
男性更年期障害とは、男性ホルモンであるテストステロンの減少により、無気力状態となったりイライラを起こしたりする症状です。
女性よりも遅く50代後半以降に症状が現れる人が多いという特徴がありますが、本人が自覚していないケースが少なくありません。
中高年となる40代〜60代前半迄の間は、責任感ある仕事に就いているために、多くのストレスを抱えながら生活をしています。
疲れやストレスによる症状と、男性更年期障害による症状の区別が難しいために、発見が遅れてしまい重症化するケースが出てしまうわけです。
集中力低下・無気力症状・不眠といった男性機能低下以外の症状が出ることが多いので、ホルモンバランスが崩れることにより様々な症状が出ると知っておくと良いです。
男性更年期障害の原因
加齢に伴い男性ホルモンのテストステロン分泌量は、精巣機能の低下により徐々に引き起こされることで男性更年期障害が発生します。目安として血液1mlあたり300〜350ナノグラム以下になると症状が現れます。
テストステロンの分泌量は、加齢だけでなくストレスによっても引き起こされるので、仕事と家庭の両面が影響しているわけです。
加齢に伴い精巣から分泌されるテストステロン量は緩やかに減少しますが、精力には個人差が極めて大きいので中には一生男性更年期障害にならない人もいます。
テストステロンの分泌量は、ストレスによる不安やイライラにより分泌量が減少するので、家族のために仕事を頑張りすぎている中高年ほど症状が出やすくなりかねません。
社内の機密事項を家族に話すことは出来ないために、家庭では一切仕事の話をしない男性ほど、一人でストレスを抱えやすくなるので家族のサポートが必要です。
男性更年期障害(LOH症候群)の主な症状とは?
男性更年期障害は、症状の出方に個人差が大きいものの主に3つの症状が出てきます。
身体的な症状
テストステロンは、女性とは異なる男性ならではの体型を作るために、骨を太くして筋肉を大きく育てる役割を持っています。
テストステロンが減少すると、筋力低下により疲れやすくなったり筋肉痛やめまいといった症状を引き起こすわけです。
男性ホルモンのバランスが崩れることで、自律神経失調症となることも多いので、突然の発汗やホットフラッシュに悩まされる男性もいます。
精神的な症状
テストステロンには、ネガティブな感情を抑えてポジティブ思考に変える効果があるので、テストステロン減少により精神的な不安を感じやすくなります。
イライラしやすくなったり、抑うつ状態や不眠・集中力低下や無気力状態に陥ることもあるわけです。中には記憶力の低下まで引き起こすことがあるので、物忘れが多くなった時には検査を受ける必要があります。
性欲減退に伴う症状
自覚症状が最も出やすい更年期障害として、性欲減退に伴う症状が挙げられます。勃起不全症候群や朝勃ちしなくなったり、頻尿に結びついたりするので配偶者が気づく可能性が高いです。
性的に興奮しなくなってしまうと、ドーパミンの分泌量低下も懸念されるのでED治療を早期に受けることで男性更年期障害の発見を早めることが出来ます。
男性更年期障害と女性更年期障害との違い
男性更年期障害は、女性更年期障害とは異なり一度発症すると治療を行わない限り一生続きます。
女性更年期障害は、閉経期を挟んだ前後5年間ずつの間、急激にエストロゲン分泌量が減少することで発症しますが、エストロゲン分泌量に変化が無くなつた時点で終わります。
しかし、男性更年期障害は、テストステロンの分泌量減少が加齢に伴い生涯続くことになるので、治療を行わない限り終わりがありません。
女性更年期障害はエストロゲンの急激な減少期間のみ発症しますが、男性更年期障害はテストステロンの量そのものにより引き起こされるので終わりが無いわけです。
男性更年期障害を改善するためには、テストステロンの血中濃度を更年期障害が起きない程度まで引き上げれば良いというシンプルなものとなります。
男性の更年期障害は何科?(泌尿器科)
男性の更年期障害は、男性向け更年期外来を設置している病院が少ないので、多くは精巣が診療科目に含まれる泌尿器科を受診することになります。
テストステロンの血中濃度を測定して、血液1mlあたり300〜350ナノグラム以下ならば男性更年期障害と診断されるわけです。
軽度のうちは元々のテストステロン分泌量に個人差が大きいので、500ナノグラム程度でも男性更年期障害が出る人もいます。
そこで、男性更年期障害の診断には血中テストステロン量に加えて問診票による診断も併用されることが多いです。
他の病気との区別を行う必要があるために、テストステロン量の測定のみでは正確な診断が難しいので、泌尿器科を受診した際に問診票による診断が無ければ病院を変えるべきです。
男性の更年期障害は、軽度のうちに治療を開始することで元の元気な身体を早期に取り戻せます。
男性更年期障害の治療方法
男性更年期障害と診断された際には、軽度・中程度・重度更年期障害といった状況に合わせて治療方法が変わります。
中程度以上の場合には、男性ホルモン補充療法(ART)と呼ばれるテストステロンを筋肉注射する方法が一般的です。
ARTでは、2〜3週間に1度の割合でテストステロンを筋肉注射すると、3ヶ月から半年程度で男性更年期障害の症状改善がみられます。
女性ホルモンとは異なりテストステロン注射は、発がんリスクが無いので安心して治療を受けられるわけです。
軽度の男性更年期障害ならば、ARTよりも生活習慣改善により成果を引き出す方法があります。具体的には筋トレをしっかり行うと筋肉と骨に刺激を与えることでテストステロン分泌量が増大します。
適度な全身運動はストレス解消にも繋がるので、ストレスが原因の男性更年期障害ならば筋トレがストレス発散効果を発揮するからです。
また、配偶者の理解は必要となりますが、好みの女性と会話をしてドキドキする感覚を味わうこともテストステロン分泌量増大に繋がります。
男性更年期障害の改善策
ストレスと加齢によるテストステロン分泌量減少が原因となる男性更年期障害は、生活習慣改善により改善しやすいものです。
心筋梗塞の原因の1つが、男性ホルモンの低下にあると知れば、適度な全身運動を取り入れてメタボリックシンドローム改善しようと考えるようになります。
自己流の筋トレを行っても多少は効果がありますが、既に男性更年期障害を発症している状態では無気力症状によりサボりがちです。
そこで、ジムに通って筋トレを行いつつ食生活も改めると効果的です。女性に対してドキドキした感覚を取り戻すことが出来れば、男性更年期障害の改善に繋がるので配偶者の理解を得られれば更に効果が高まります。
ジムに通う際には好みの女性トレーナーがいる所に通うという下心有りの動機であっても、男性更年期障害の改善には効果的です。
キャバクラに通う中高年に男性更年期障害が現れないことは、常に女性とのドキドキ感が得られるのでテストステロン分泌量アップに繋がっているからだと考えられます。