更年期の女性が感じる症状のひとつに、「やる気が出ない(倦怠感)」ということがあります。
特に疲れるようなことはしていないのに、とにかく身体がだるかったり、以前は積極的にやっていたことに全く興味が持てなくなってしまったり、解決策も見つからず人知れず悩んでいる女性もいらっしゃるかもしれません。
では、どうして更年期の女性に「やる気が出ない」という症状が現れてくるのでしょうか?またその症状を改善するために、何か出来る方法はあるのでしょうか?
このページの目次
更年期になるとやる気がでなくなるのはなぜ?(倦怠感の原因)
「倦怠感」があったり、「やる気がなかなか出ない、出せない」という状況はつらいもの。
具体的に目に見えるものではないからこそ、なかなか人に理解してもらえず、一人で悩んでいる女性もいらっしゃることでしょう。
では、どうして更年期になると「やる気が出ない」症状が起きるのでしょうか?
自律神経の乱れ
「やる気が出ない」症状の原因としてまず挙げられるのは、自律神経の乱れです。更年期を迎えた女性は、卵巣機能が少しずつ衰え始めています。
そのことに伴って、今まで卵巣から分泌されていた女性ホルモン「エストロゲン」の分泌も少なくなってしまいます。
「エストロゲン」の分泌が減少してくると、脳の視床下部から卵巣へ「エストロゲン」を分泌するようにという指令が出ます。
でも卵巣機能が衰えてしまっているため、卵巣は視床下部の指令に従うことができません。そのことによって視床下部が混乱してしまい、自律神経に乱れが生じてしまうのです。
加齢による代謝の低下
年齢を重ねるにつれて、誰でも身体の代謝は衰えてしまうもの。
身体の代謝が上手くいっていないと、摂取した食べ物をエネルギーに変えることができなくなります。その結果、「だるさ」や「疲れ」といった症状を感じるようになるのです。
焦燥感からくるストレス・憂鬱(うつ)への発展
もうひとつは、この「倦怠感や、やる気の出ない状態」を何とかしたいと思って努力しても、体力が気持ちに追いついていかないという現実から生じる焦燥感があります。
「なんとかしなくちゃ」「どうしてこんなことができないんだろう」という気持ちを行ったり来たりしている間に、精神的にも追い詰められてしまい、「うつ」に発展してしまうことがあるので注意が必要です。
更年期のダルさから解放されるための改善策
では、更年期の「倦怠感や、やる気の出ない状態」を改善する方法としては、どんなことが考えられるのでしょうか?
生活リズムを整える
このような症状を感じているときは、生活リズムが崩れてしまっていることが多いもの。
昼夜のリズムが逆転しまうと、ますます症状を強くしてしまう可能性があるので、できるだけ規則正しい生活を心がけてみてください。
朝目が覚めたらカーテンをあけ、お日様の光を浴びることには、脳内物質「セロトニン」の分泌を増やし、元気な気持ちにしてくれる作用があるんですよ。
軽い運動をする
「だるい、何もしたくない」と感じているときは、気が付くと家の中でじっとしているうちに時間が過ぎてしまう、という方も多いのではないでしょうか?
でも、その状況を続けていても、解決には結びつきません。できる範囲で構わないので、ウォーキングやエクササイズなど軽い運動をするようにしてみてください。
身体を動かすことで、リラックス効果も得られますよ。
疲労回復効果がある栄養素を摂取する
疲労感があるときには、不足していると思われる栄養素や、疲労回復効果のある栄養素を意識して摂るようにしてみましょう。
特にビタミンB1やコエンザイムQ10が多く含まれている豚肉や牛肉、疲労回復効果の高いクエン酸が含まれているレモンやグレープフルーツなどがおすすめです。
更年期サプリでケアする
もっと効果的に「倦怠感や、やる気の出ない状態」をなんとかしたいという場合には、自律神経の乱れや減少してしまっている「エストロゲン」と同じ働きをする成分を含んだサプリでケアしてみてはいかがでしょうか。
「エクオール」、「大豆イソフラボン」、「サポニン」や「プラセンタ」などが含まれているサプリが特におすすめですよ。
ポジティブな性格の人ほど倦怠感は深刻?
更年期の「倦怠感や、やる気の出ない状態」には、個人差がかなり見られます。元々そんなに積極的ではなかったという女性は、そこまで極端にこの症状を感じることは少ない傾向にあります。
でも逆に、更年期を迎えるまではアクティブに活動していた、または元々ポジティブな性格の女性は、この気持ちや行動の変化が自分でも信じられず、悩んでしまう場合があります。
でも、更年期に感じる「倦怠感や、やる気の出ない状態」は、誰のせいでもなく、生きているからこそ訪れる心身の変化に伴って生じていることなのです。
今までと同じようにアクティブにポジティブに、ということばかりにとらわれず、「あるがまま」「のんびり」と過ごすことも大切ですよ。
症状がひどいときは病院を利用しましょう
あまりにも症状がひどく、何日も起き上がることすらできない、日常生活もままならない、といった状態が続いている場合には、無理せず医療機関を受診してみるようにしましょう。
更年期の症状だとわかっていても、「どうしても以前のような自分に戻りたい」、と頑張り続けているうちに、バッテリーが切れてしまったような状況になることがあります。
その状況を続けていると、「うつ」状態へと進行してしまうことがあるので、気をつけることが大切ですよ。
医療機関では、問診や内診、血液検査などを通して、更年期による症状なのかどうかということをチェックしてもらえます。
また、もし更年期による症状だった場合には、つらい状況を緩和してくれる薬や漢方薬などの処方や、場合によってはカウンセリングも受けられますよ。
更年期は女性であれば誰しも通る道です。その症状に個人差はあっても、それは自分の何かが悪いわけでもなまけているわけでもなく「自然なこと」なのです。
つらい症状があるときこそ、無理にあがいたりせず、リラックスした時間を過ごすように心がけてみてください。